こんにちは。先生方には毎日お忙しくお過ごしのことと存じます。
私は、全国家庭科教育協会(ZKK)事務局長の羽野 みき子と申します。東京都立高等学校で家庭科教員として38年間勤務しておりました。高等学校家庭科の男女必履修が始まった年から、NHK教育TVの高校家庭科番組「おとことおんなの生活学」「家庭総合」の講師を16年間務め、また東京都教育庁指導部高等学校教育指導課で家庭科の指導主事を経験しました。授業を通して、或いは生徒との様々な交流を通して、「家庭科の教師になって本当に良かった!」「高校家庭科は、生徒にとってこんなにも大切な教科なのだ。」との思いを年々強く感じてきました。
未だに“英数国理社”を「主要教科」などと言っている人(特に他教科教員!)がいますが、大学受験教科であるだけでその後の人生でどこが主要なのだろう?では、家庭科は“枝葉教科”なのか?えだは=枝葉(しよう)こそ、正に人生のし(ゆ)よう→主要教科だとの思いは今でも変わりません!
特にこれからの社会はAIが更に発達し、政府が掲げる「Society5.0」で強調されているように力仕事やデータの分析などはロボットやコンピュータに任せられると言われますが、そんな時代だからこそ“お仕着せ”ではない“自分らしい”人生を送るためには、自分自身を見つめる力・意思決定能力、周りの人との共生力・共感力がなければならないと考えます。皆様はどのように思われますか。
本協会の会長である河野 公子は、文部科学省教科調査官、主任視学官を務め、私以上に家庭科教育への強い愛情をもっております。
「全国家庭科教育協会」(以下:ZKK)については既にご存じかも知れませんが、是非ご入会をご検討いただきたく、この事務局便りと共に、本協会のホームページ(以下:HP)もご覧ください。機関誌「家庭科」の表紙に執筆者と執筆テーマが掲載されています。年会費支払方法も参考にご覧いただきたいと思います。ご入会は、HPの「新入会申込書」をプリントアウトして必要事項をご記入後、メールまたはファックスで送信後、会費を振込んでください。
2018年度の機関誌「家庭科」の内容は“SDGsを実現する”としています。既に授業でSDGsを取り上げている先生は多いかと思いますが、SDGsの目指していることが、家庭科教育で育てたい資質や能力といかに一致しているかに今更ながら驚いています。
さて、既にお聞き及びのことと思いますが、文部科学省は3月28日「高等学校学習指導要領における家庭科の履修学年に関する改正について」(通知)を各教育委員会に出しました。それによると、「家庭基礎」は原則として入学年次及びその次の年次の2か年のうちに履修させる、「家庭総合」は、内容のCについては、原則として入学年次及びその次の年次の2か年のうちに取り上げること、と追加されたので、3年次履修という最悪パターンは逃れることができました。私共ZKKが団体として、また各常任理事の先生方が個人として多くのパブコメを寄せた結果だと思います。今後は各学校で各先生方が、生徒の実態等を挙げながら教育課程を編成していくことになります。
こうした現状を考えるとき、是非一人でも多くの家庭科の先生方にZKKの会員になっていただき、数を力に変え、知恵を出し合い、家庭科教育が未来を担う子どもたちを育てるのだという気概をもち、教科はもちろん、学校内の仕事にも積極的にかかわっていくこと、共感者・協力者を増やしていくことが重要だと思います。
このような中、ここ数年研究大会で“第○回全国家庭科教育協会研究大会 決議”(HP参照)を満場一致で採択しています。こうした“決議”の効力については、やはり団体としての組織力、つまり会員数が重要な鍵になります。
現在、私どもの会員の8割以上は国公私立の高等学校家庭科教師です。というのは、小学校には「全国小学校家庭科研究会」、中学校には「全日本中学校技術・家庭科研究会」がありますが、高等学校家庭科教育については、
全国組織がありませんので、私ども全国家庭科教育協会(ZKK)がその役割の一端を担っています。ZKKは、小・中・高校・大学で家庭科教育に携わっている先生方を会員とする全国でただ一つの研究団体です。“数は力!なり” 私共の力になるのは、全国の先生方の会員数です。一人でも多くの先生のご入会をお願いいたします。